イギリス人の老後

日本の年寄りの方が幸せ

世界の旅日記

イギリスに居住の日本人ガイドさんから意外な話を聞きました。

「イギリスは老人にとって住みにくい国」と・・・・・

私たちが学校で習った記憶では「ゆりカゴから墓場まで」だったはず?

詳しくお話を伺うと、

「300万円以上の財産がある人は公的な老人ホームに入れない。それならば私設の老人ホームということになるが、とても高額になる。結局、大方の老人はどちらのホームにも入れず困っている。私には日本にも親戚があるので、それと比較すると日本の年寄りの方が幸せ!と感じます。」

と結論しておられました。

またイギリスは過去に高福祉社会を目指したために、働いても働かなくても食えるという状況が生まれ、やる気がなくなり「大英帝国のたそがれ」になりました。

そこにサッチャーさんが現れ、保守的なイギリスの建て直しを進め、現在のイギリスがあるそうです。

どこの国も大なり小なり問題をかかえていますが、このことから皆健康保険制度など日本の福祉制度は、とても充実していると感じます。

老後資金の問題

イギリスでは18歳が大人の仲間入りで、「親は老後の面倒を子供に期待せず、子供は家を出て親から完全に独立する。」のが普通だそうです。

ですから日本のように20歳を過ぎた子供が同居し親のスネをかじっていることはないそうです。

日本ではスネにかぶり付いている子供を、目を細めて眺めているフシがあります。

現地ガイドさんの話では、イギリス人は貯金をするという習慣がなく、老後資金は家そのものが財産であり、子供が成人すれば老夫婦2人となり、それまでの大きな家を売り、田舎の小さな家に移り住むのが普通で、この差額が老後資金になるとのこと。

何かの本に「イギリスでは親が子供に自宅を売り、老後資金にする。」と書いてありました。この話の真偽はわかりませんが、先の話と考え合わせると、まんざら嘘でもなさそうです。

ちなみにイタリアでは、あの世に行く時に財産をゼロにしておくのがカッコいいと考えているようで、お国柄が伺えます。

我が日本では、統計によりますと、老夫婦がダメ息子、ダメ娘に残す財産は平均3500万円だそうです。

ゆりカゴから墓場まで

イギリスの人口は日本の半分くらい、面積は3分2くらいです。

一番高い山は1400メートルくらいで、全土が丘陵地帯です。日本のように急峻な山や 谷はないので、人が住めたり農地にできる面積は、日本よりうんと広いと思います。

ですからなんとなくゆったりした感じがします。

イギリス人は、特別に大きな家には住んでいません。家の大きさは日本とそんなに変わりないと思いますが、古いもの好きな国民性のため、新しい家より古い家の方が価値があったりするようです。

子供が成人すれば、それを売って、田舎の石造りの平屋に買い換えるのが、イギリス人の老後の夢。

イギリス人に貯金の習慣がないのは、イギリス人がお金持ちだからではありません。お金なら日本人の方がずっとたくさん持ってます。なんせ1400兆円もの個人流動資産を持っている国は世界で日本くらいです。

ガイドさんの話では、過去に「ゆりカゴから墓場まで」政策をしたために、貯金の必要がなく、その習慣がないのではないかとの意見でした。

キリギリスをしていても食えるのであれば、誰も貯金をしません。

私は、ちょっと違う見方をしています。

白人はもともと狩猟民族で、獲物がなくなれば、獲物を求めて

「山越え、海超え、ヤリ持って行くべぇ~!」

となります。われわれ農耕民族には理解不能です。

ですから家に対する執着心がなく、買い替えにも頓着がありません。

日本人は、農耕民族ですから、農地とそれに続く農家はとても重要で、執着心があります。だから家を転売するなどという考えには及びません。

われわれのDNAはアリです。年金暮らしになっても年金から貯金に回してしまうのです。金さん銀さんのように、テレビ出演料の使途をたずねられ「貯金します。老後のために。」となります。

日本人は、具体的な理由がないのに何故か老後に不安です。

現在のような国民皆年金制度がはじまったのは、戦後の昭和36年からですから、本当は安心なのですが?

戦前や江戸時代に年金制度はなかったんですから。それでも当時の年寄りは、餓死することもなく、ご隠居などとよんでのんきな老後をすごしていたわけです。


さて私の現状は、キリギリスを目指すアリといったところでしょうか?

こんな話を書いたら、カナダ人も貯金をしないとコメントがありました。

また、オーストラリア人を夫に持つ奥様(日本人オーストラリア在住)からは、こんなコメントをいただきました。

『オーストラリア人も貯金という概念はあまりありません。やはり、オーストラリアはイギリス人が多いからでしょうか。

うちの夫は典型的なオージーで、まったく貯金がありません。

「困ったときはお国が面倒をみてくれるよ。そのために高い税金払ってるんだから。」

だそうです。

オーストラリア人の老後の夢は、家を売ったお金でキャンピングカーを買って、オーストラリア中を予定無しでのんびりまわることです。』

キリギリスは日本では悪ですが、ヨーロッパ人などは人生を謳歌していますよ。


バーで食べたフィッシュ&チップス・・・サクサクホクホクでとても美味しかった!

どれも美味しかったです!

世界の細道

楽しく苦しい三昧の世界を覗きます。楽しいだけでもダメ、苦しいだけでもダメ。歩く世界は旅、くるま、バイク、グライダー、Jazz